琉球大学法科大学院修了生の司法試験受験生の皆様へ教員からの応援メッセージ
琉球大学法科大学院修了生の司法試験受験生の皆様へ
■久保田光昭先生 KUBOTA Mitsuaki(研究科長)
これまでの努力が実を結ぶことを信じて司法試験に臨んでください。ご健闘を祈念しています。
■武田昌則先生 TAKEDA Masanori(副研究科長)
今年のメッセージは、桜木建二弁護士に委ねます。
「どんな人間も、大事な本番前には、失敗した時を考えて、不安になるものだ。特にそれに向けて、準備を怠らずに努力しつづけてきた者ならばなおさら・・・。だから不安を抱くことは、決して恥ずかしいことではない。むしろ不安は努力の勲章なんだ。」「実力を発揮できる「本番に強い人」は、まず自分が不安を抱いていることを自覚したうえで、誰にでもミスは起こりうると想定して、いざ自分がミスを犯したとしても動揺しないよう、心の準備をする。」(「ドラゴン桜」19巻 桜木建二)
(以下アルファベット順)
■井上禎男先生 INOUE Yoshio
論文試験は書かれている内容がすべてです。行政法は他の科目に比べて圧倒的にやることが多く、限られた時間の中での出たとこ勝負の法解釈能力(実力)が問われます。
解答に際しては、必ず条文根拠を明確にして、必要不可欠な「仕組み解釈」を徹底してください。答案構成にかける時間と配点も見据えて核心を見極め、絶対に落としてはならない点を落とさずに上手く本質を突いてください。
過不足なく書ききる。単に不足なくではなく、過不足なく。これがこれまでの努力の集大成です。細心の注意を払い、感性を研ぎ澄ませて真摯に出題者の意図に向き合ってください。
■小林祐紀先生 KOBAYASHI Yuki
既に多くの先生から皆さんへ励ましのメッセージがありましたので、私から新たに付け加えることはありません。試験当日は焦りや不安もあるかもしれませんが、目の前の問題は既に皆さんが必ず学んできた内容です。落ち着いて、実力を出しきってきて下さい。
■三明翔先生 MIAKE Sho
試験当日まで残り数日となった今は、これまでの勉強を信じて、心身の調整にも配慮しましょう。
まず当日の試験時間帯に集中力を発揮できるように、早めに就寝し、当日と同じ時間帯に起床しましょう。
当日、脳のエネルギーを試験に注ぎ込むことができるよう、試験の内容以外に考えるべきことをできるだけ減らしておきましょう。
当日の試験会場までの行き先や持って行く物の確認はもちろん、当日の食べる物や服装、行動などもあらかじめ決めてしまいましょう。
糖分やカフェインをとることはよいですが、当日に普段と違うものを食べたり飲んだりすることは避けましょう。
心がザワザワしているなと感じたときは、目を瞑り、まずは息を吐き切り、今度はゆっくりと息を吸って、自分の呼吸だけに意識を集中させましょう。
前日の夜はそれでも眠れない人もいるかもしれませんが、目を瞑って静かにしているだけでも脳は休まります。
試験会場では、出題者が何を答えて欲しいのかという視点を忘れず、平常心を持って必要なことだけを書くという意識でいましょう。
試験の途中で混乱しても慌てずに、一度目を閉じ、先ほどの要領で呼吸に意識を集中させましょう。落ち着いたらその意識を目の前の問題だけに向けましょう。
一つの科目の試験が終わったら、その科目の出来は忘れて、次の科目、目の前の答案だけに集中しましょう。
当日はアドレナリンが出て普段以上の集中力が発揮できるはずです。不安や迷いからそれを分散させないのがコツです。
合格祝賀会で皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!
■宮城哲先生 MIYAGI Satoshi
琉球大学法科大学院の修了生は司法試験に合格できる力は十分持っています。大切なのは、絶対に合格するという強い気持ちとどうやって合格点をとるかという冷静な戦略です。これから本番に向けて次のことに気をつけてください。
①絶対合格するという強い気持ちを持ち、試験前や試験中に何が起ころうがそれを言い訳にせず、最後まで合格をあきらめず全力を尽くしてください。
②本番で失敗はつきものです。多少失敗しても合格できるので、ミスを引きずらず、すぐに切り換えて次やるべきことに集中しましょう。
③論文式試験は、まずは問いに答えることが大切です。考えたことのない問題や難しい問題も出ます。しかし、それは応用力を試しているのであって、知らないのは当然であり、正しい答えもありません。問題文をよく読み、問いに答える過程で、問題となっている条文・判例等の基礎的知識があることを簡潔に示しつつ、応用問題では事案に即した悩みをみせて条文や判例の趣旨から法律家らしい一応の思考ができることを示せれば十分合格できます。とにかく条文と事実を重視し、問いに答えることが大切ですので、そのことを忘れないようにしてください。
④短答式試験は、満点を取る必要はないので、解らない問題に時間をかけず、解る問題を確実に正解することを心掛けるといいと思います。
⑤合格の可能性を高めるためには、勉強以外のことへの配慮も重要です。感謝の気持ちをもって生活し、特に体調管理等には最善を尽くしてください。
皆さんの合格を心からお祈りしています。
■宮尾徹先生 MIYAO Toru
いよいよ本試験ですね。司法試験で問われているのは、基本的知識と基本的考え方について正確に理解できているかと、それを応用できる力があるかどうかです。これまでの努力の延長線上にある試験なので、あせらず、気負わず取り組んできてください。これまで合格した先輩たちをみると、全科目合格点をとった人はそれほど多くなかったと思います。少しくらいの失敗をしても問題ないはずなので、最後の1科目、1問まで、あきらめずに問題にくらいついてきてください。みなさんの健闘を沖縄から祈念しています。
■西山千絵先生 NISHIYAMA Chie
不安や後悔、期待、これまでの時間を振り返って、様々な気持ちでおられるかと思います。
皆さんの、それぞれの夢がかないますように。
■齋藤実先生 SAITO Minoru
今、心臓が張り裂けそうな緊張の中を過ごしているかもしれません。もしかすると体調が悪かったり、あるいは一睡も出来ずに試験に臨んでいるかもしれません。ただそれでも大丈夫。必ず合格できます。私は試験前日一睡も出来ませんでした。当時の司法試験は短答が初日しかも7科目、フラフラで試験に臨みましたがそれでも何とかなりました。
答案を書く際には、実力以上のことを書く必要はありません。自分の実力を答案にしっかりと反映させることに専念してください。万が一試験に落ちるとしたら、実力以上の力が出せなかったのではなく、自分の実力が出ていなかったからです。司法試験は、本番は予想していない問題(ばかり)を出すことで、受験生の実力を出させないための工夫が随所にされています。だからこそ、自分の実力を答案に出すことができれば、しかも6割程度の実力が出れば、必ず合格できます。周りはこのような問題に慌て、分かりにくい難解な答案を書き、バタバタと落ちていきます。周りが落ちていく中で、シンプルな分かりやすい答案を書いてください。自分が落ちないように踏みとどまるようにすることが、合格のポイントです。
踏みとどまれるために一番大事なことは、(問題本文以上に)設問部分をよく読むことが大切です。設問部分は、3回以上読んでください。時間を急ぐあまり読まない人が多いのですが、あまりにもったいない。その上で、正面から素直に「問に答える」ことが出来れば、自ずと評価の高い答案になるはずです。
例えば、令和2年の刑法は、「以下の①及び②の双方に言及した上で、【事例1】における甲のBに対する罪責について、論じなさい」。答案構成は、「1 ①について、2 ②について、3 甲の罪責について」の3つを立てる以外にはありません。しかも、問題文中、①及び②は「説明が考えらえるか」とあるに対して、甲の罪責は「論じなさい」とあります。「①及び②は難しいので、説明だけで良いですよ、論じる必要まではありませんよ、ただ、甲の罪責はしっかりと書いてください。」というメッセージです。問題文をよく読んで、そこからヒントを受取り、答案構成に結び付けてください。これを心がけるだけで、1科目5点は伸びるはずです。5点×8科目あわせて40点、もう合格は目の前のはずです。
負けたくなかったら強くなる!合格を心からお祈りしています!!
■内栫博信先生 UCHIGAKI Hironobu
自信をもって試験に臨んでください。わからない問題が出題されたとしても必ずなんとかなります。なので、決して慌てないでください。最後は精神力です。根拠がなくても構いませんので自信を持ってくださいね。
■矢野恵美先生 YANO Emi
皆さん、いよいよ今年の司法試験が始まります。昨年は試験日程が延期になり、あっという間に今年の試験となりました。相変わらずcovid-19の感染拡大が続いていますが、私達の新しい生活様式も大分定着してきました。そんな中、琉球大学の受験生は今年もそれぞれ飛行機に乗って、会場近くの宿泊場所に着かれるところだと思います。ここまで本当に大変だったと思います。
ここまで来たのですから、あとは実力を出し切るだけです。前日にやることを決めておく等して、それが済んだら後は身体を休めましょう。睡眠、休息が免疫力を高めます。ですから、ホテル等の滞在先で、ご自身の体調やリズムと相談しながら、可能な限り睡眠を取ってください。緊張して寝られなくても、手足を伸ばして横になるだけで大丈夫です。
そして会場で、試験問題を開いたら、あとは最後まで決して諦めないでください。問題への向かい方は多くの先生方がアドバイスしてくださっています。それを是非読み直してください。落ち着いて、問題文をよく読んで、出題者の意図にのっていきましょう。皆さんに難しい問題は他の人達にも難しいんです。大丈夫。
挫けそうになった時は、今までのつらかった日々、そして沖縄で応援しているたくさんの顔を思い出してください。心から応援しています。
■吉田英男先生 YOSHIDA Hideo
お勉強お疲れ様です。他の先生方が周到なアドバイスをしているので、私が追加で言うことはありません。直前に体調を崩したりしないよう、健康に気をつけて下さい。
ご健闘をお祈りいたします。
■吉崎敦憲先生 YOSHIZAKI Atsunori
今日までの努力は、全て血となり肉となっています。それらは、思考するための材料です。
司法試験委員は、教科書で学んだことを集めた「新しい問題」を出題し、皆さんの思考力を確認したいはずです。
決して、過去の記憶に引き寄せて「この論点にはこう書けば良いはずだ」とは思わないて下さい。
真っ白な気持ちで試験問題に向き合い、問題文を素直に読み、基本(条文、制度趣旨、要件、効果)から論点を抽出し、1つずつブロックを積み重ねる要領で論理を組み立て、簡潔に規範を定立してあてはめ、結論を導いて下さい。
主語・述語を明確にして、短文で書いて下さいね。大きな読み易い文字がベストです。見出しの活用も、本文を省略する「省エネ」手段の一つになります。
採点者は出題者です。皆さんが一言書けば、何を書きたいか予想しながら読んでくれますから、書き足りないくらいで丁度良いです。
配点は、各論点に割り振られていますから、一か所だけ沢山書いても点数は伸びません。時間内で一通り書き切ることが大切だと思います。
問題文全体を見渡して、広く、浅く、そして理由付けは「形式的には(条文など)・・・、実質的には・・・」など、何となくそれらしく分析的にやや丁寧にでも簡潔に・・・。
皆さんのご健闘を心より祈念いたしております。ちばりよ~。
■張子弦先生 ZHANG Zixian
皆さん、受験まであと数日ですね。
不安や焦りでつらい人もいるかもしれませんが、今まで努力してやってきたことは必ず報われます。
勉強で疲れた時は、スーパーマンのように、両手を腰に当てて、空を30秒ぐらいで見つめると、落ち着いて集中できるようになります。
自分を信じて、最後まで頑張ってください。